認めて受け入れ手を取り合う【ミヒャエル・エンデ「モモ」のメモ】

ミヒャエル・エンデ「モモ」の読書会のメモ。

モモは、住んでいる円形劇場の廃墟を大きな船に見立てて、友だちと「航海ごっこ」をします。航海のミッションは、このあたりの海域で猛威をふるう、休むことのない大旋風の原因を取り除くこと。


「永遠の台風」と呼ばれるそれは、絶えず獲物を探し回っています。
一度捕まったら逃れることはできません。
進路の予測も出来ません。

モモたちは、この「永遠の台風」の原因を取り除くことができるのでしょうか。

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誰の中にも「永遠の台風」が吹き荒れている

私たちの心はミズモノです。
つかめるようでも、つかめない。
法則性があるようで、ない。
ランダムに上がったり下がったり。

相場
底かと思えばまたまたあちら 浮気な相場


例えば、特に思いあたる理由もないのに、なんとなく気分が落ちてしまうようなとき。
「満月が近いからだ!」なんていう理由づけをすることもあります。
たしかに、天体の動きは、地上に暮らす私たちに多少なりとも影響しているかもしれません。
また「満月だから」と理由を見つけることで気持ちが軽くなるなら、どんどん利用すればいいと思います。

でも、気分が落ちる原因らしいものが見当たらないと、「気分が落ちるはずがないのに、なんで落ちるんだろう?」「おかしい!」「こんなはずはない!」とちょっとした葛藤になってしまう。


そんな時、「心とは、進路の予測できない台風だ」と思っておくと、ラクになる。

進路の予測なんてできないのですから、いつ嵐が到来するかわからない。
その嵐が発生する原因も探せるはずがないのです。

誰の中にも、エンドレスに吹き荒れている台風。
心とは、法則性なく吹き荒れるもの・・・と思えば、その原因をつきとめたり、嵐が発生しないようにしたり、とガンバらなくてよくなります。

「永遠の台風」を落ち着かせたのは、歌声とおどり

モモたちは、「永遠の台風」の目に向かって進んでいきます。
台風の中心に広がっているのは鏡のように静かな海面。
そこにいたのは、おどる巨大な怪物。

台風の原因であるこの巨大な怪物、どうやったら大人しくなるのでしょうか。
船に乗っているメンバーのうち、学術研究面でのトップを担うアイゼンシュタイン教授はいいます。

「それはわたしもわからんね」と教授はこたえました。
「科学がこいつの正体を見きわめる機会は、これまで一度もなかったんでね」


「モモ」岩波書店、ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳

この怪物が私たちの心をあやつる原因だとしたら。アイゼンシュタイン教授の見解によれば、少なくとも科学の力では、この怪物の正体を明確にできていないことになります。

船の乗組員たちは、怪物を倒そうと大砲を打ち込みますが、うまくいきません。
しかし、ある方法で怪物を制することができたのです。

それは、このあたりの民族に伝わる歌をみんなで歌って、怪物に聞かせること。

乗組員たちが、半信半疑ながらも声をあわせて歌を歌い、手をたたいて踊ってみたら・・・怪物は海に沈んでいきました。


暴れる心も同じこと。

なんとか落ち着かせようと、大砲をうちこんだり、網で捕まえたりしなくていい。
心は心のまま、踊るに任せておく。
こちらはこちらで、穏やかに歌い楽しく手拍子をして踊るだけ。
淡々と、できることをやるだけ。

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タロットカード「力」に重ね合わせてみる


これは、タロットカードの大アルカナ「力」です。

百獣の王ライオンがすっかり犬状態

女性がほほえみながら、ライオンを制しています。
力関係から考えると、百獣の王であるライオンの方が強いのは明らか。
ガブリとやってもおかしくありません。
しかし、カードの中のライオンは、すっかり女性に制されています。
動物にとって急所である口先に手をかけさせるほどに。

このライオンは、「自分のなかの獣性」と解釈することができます。

私たちの内側に、誰もが秘める獣性。
そのひとつは、コントロールしようとすればするほど暴れる心。

暴れるからといって避けて通るのではなく、「そういう要素が自分の中にあるのだな」と認めること。
そして、うまくつきあおうと意図し、そのために忍耐をもって向き合う強さ。

歌と踊りで、台風の目の中にいた怪物を海に沈めたモモたちには、こんな「力」があったのでしょう。

モモのメモ
認めて、受け入れ、手を取り合う

今回登場したタロット
TAROT DU ROY NISSANKA

美しい色彩、特にゴールドが輝いてます。
スリランカの中世の古都ポロンナルワの王族ニッサンカ・マーラがモチーフ

タロットカード☆タロット・デュ・ロワ・ニッサンカ☆絶版!レアタロットカード