その現象を引き起こしているのは誰なのか


師が弟子に秘法を伝授する『魔法修行』についてのシェア、6回目。

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第六信 生命の木

第六章のタイトルは「生命の木」。

本書の口絵に「生命の木」の図像があります。こちらの写真です。

しかし、「生命の木」について詳細な解説があるわけではありません。

そもそも、西洋神秘主義で「宇宙と人間の魂に関する、強力な、一切を包み込む図像」とされているこの図像を一冊の本の中のわずか20ページで語るなど無理な話。

本書でも

その詳細をここに記そうとは思わない。それについて、はるかによい書物が、すでにわが西洋の師家のうち最大の巨匠の一人、故ダイアン・フォーチュンによって公けにされているからである。

W.E.バトラー『魔法修行』平河出版社

としていて、『神秘的カバラ』(『神秘のカバラ』というタイトルで出版されています)という書物を手に入れ、教科書および参考書として活用することを「至上命令」と記しています。

「生命の木」について掘り下げるのなら、上記の参考図書をはじめとした他の本にあたる必要があるでしょう。

それはさておき、この章で印象的なのは「この訓練の段階で肝に命じておくべき」という前置きつきで師が弟子に説明する「原理」です。

君が駆使しようとするエネルギーや力は、君の主観的な自己の深みから湧き起こってくるものだが、決して君自身の力ではないということだ。それはむしろ、君を通じて表に現れた宇宙的生命力の一部なのである。

W.E.バトラー『魔法修行』平河出版社

この「原理」を私なりに解釈すると、

「いかにも『自分が』『主体的に』力を使っているように思っているかもしれないけれど、そうではないのだよ」

「それは、『私』を超越した存在の力が『私』というものを通じて現れているということだよ」

と言いたいのではないかと思います。

ここで大変唐突ですが、『シャベルで土をすくいあげる』という現象に例えてみます。なぜなら、最近私は庭の芝生をめくる作業にいそしんでいるからです。

シャベル

この現象を引き起こすために登場するのは「シャベル」と「それを握っている人」。

「シャベルを握っている人」は、地面に「シャベル」を斜めに突き刺す。
「シャベルを握っている人」の力が地面に伝わる。
『シャベルで土をすくいあげる』 という現象が起こる。

『シャベルで土をすくいあげる』現象を引き起こしているのは、「シャベル」ではなくて「それを握っている人」です。

「シャベル」と「それを握っている人」は次のように置き換えられます。

「シャベル」=人間。
「それを握っている人」=人間を超越した存在。

この考え方を身の回りで起きている現象に当てはめると、いかにも『私』が引き起こしているかのように感じているのは単なる錯覚、ということになる。これが私なりの解釈です。

『魔法修行』で、師が弟子に肝に命じておくよう厳命した「原理」がこれだとすると、「無我=私などいない」の教えを説く仏教とも重なります。

こういうことをとってもおもしろく感じる「私」です。

いや?まてよ?

はてな

そう感じることすらも「私」じゃなくて「超越した存在」がやっていること???

このぐるぐる感がたまりません。